マスメディア懐疑論



昨日、修理に出していたスマホが戻ってきたという連絡を店舗の方から受けました。

その際に、「お貸出ししていました”だいがえき”をお持ちください」、と言われました。

「おいおい、”だいがえき”じゃなくて”だいたいき(代替機)”だろう」と思ったのですが、
「あれ?もしかしたら、専門用語でそう呼ぶのかな?ひょっとすると…」

すぐに調べましたが、そんな訳はなく普通に”だいたいき(代替機)”でした。


職業柄、日常的に使う言葉を間違えて覚えていることは恥ずべきことですが、それ以上に僕は自分に自信が持てなかったことが残念でした。

言い訳をするならば、相手の方がそれに関してのエキスパートであり、また、オペレーターが間違える訳がないという先入観があったことです。


先入観によって、大した精査もされず我々の目や耳に入る情報はたくさんあります。


マスメディア(主に新聞やテレビ)による報道は、その最たるものだと思われます。


特に、今でこそ下火になりましたが、昨年の領土をめぐる中国や韓国との対立問題におけるマスメディアの報道の在り方には疑問を感じるばかりでした。

例えば、以前より減少傾向にあった日中間の貿易や、全く関係の無い理由で起こったデモを、今回の対立問題と結び付けるような記事が目立ちました。


少し話の本流から逸れますが、以下は日本と中国の海外旅行者数の推移を表したグラフです。




日本人の旅行者数は左図の青線で表されています。

2つを比べて何がわかるでしょうか。

僕は中国のグラフを見て、少し違和感を感じました。
グラフがとても綺麗な右肩上がりになっているのです。

ここで日本のグラフをあえて出したのは、一般的な傾向を見るためです。

このような統計では、少なからず2008年や2009年に、リーマンショック以降の世界的な金融危機の影響が表れます(ちなみに日本の2003年の激減はSARSの影響)。

しかしながら、中国の統計は成長を誇示するかのように完璧な右肩上がりです。
このような統計には、中央政府による情報操作が入っている可能性を疑うべきです。


右図は新聞記事から引用したものですが、このような情報が何の疑いもなく掲載されています。

我々は子供の頃から教育現場において、新聞を読みなさい、ニュースを見なさい、と教えられているので、多くの人は新聞やニュースの情報が誤りである可能性などほとんど感じていません。


『日本農業への正しい絶望法』の中で、著者の神門善久は、マスメディアの大衆迎合的な性格が日本農業の衰退を助長していると指摘しています。



さらに、マスメディアは公共的精査を通して互いの正しい認識・現状に対する深い理解を促進します。
これは、アイデンティティの単一的な矮小化を避ける上で非常に重要な役割を果たすことを意味します。


本来的にそういったことが期待されるマスメディアが、現状において逆のベクトルに働いてしまっていることは悲しむべきことです。

マスメディアが大衆迎合的であるということは、我々にも一因があるということです。
中国に対する偏重的な報道などは、そればかりが理由ではないと思われますが、我々にもより高いリテラシーが求められます。


メディア関連の仕事をしている人たちの職場環境はどうなんでしょうか。
原稿の締め切りに追われて、事実の正しさは最優先ではないかもしれません。

そう考えると、職種は違えど忙しすぎて、”だいがえき”が間違えていることに気付いていないか、まさか、顧客にとってその方が分かりやすいと思って、わざと”だいがえき”と言っている可能性がありますね…

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